「謝罪させたい」が動機の民事裁判

 
先日、法廷尋問の議事録のことで年配女性の方からご連絡が。

法廷尋問の議事録テープ起こし
https://www.tapeokoshi.net/court.html

 
何でも、証券会社に騙されて父親から受け継いだ資産(預金)がなくなってしまい、現在、証券会社を相手取って民事訴訟を起こしており、先日、尋問が行われたとのこと。

議事録の作成自体は問題なく対応が可能です、という話になりまして、その後、ちょっとした人生相談になりました。

 
おおむねは、

・私は天涯孤独
・父親の介護でうつになった
・お金がすっからかんになった。
・生きていてもしようがない。
・体調を崩してしんどい。

 
ということだったため、当社としては、

・お父さんは娘が幸せになるためにお金を残した。
・手元の多寡ではなく、あなたが幸せであればいい
・だから心身の体調のことを考えると裁判を早期に終わらせるのも一考

 
とお伝えしたところ、安どしていらっしゃる様子ではあったが、少し気になることも

 
「高飛車かもしれないけど、私は7000万円(ローン返済済み)のマンションに住んでいる」
「実年齢(おそらく60代後半)より20歳は若く見られるのに、婚活サイトに登録したら紹介されるのはおじいさんばかり」
「生活を落とすなら生きていてもしようがない」

そのマンション、お父さんのおか・・・
20歳若く見られているのは気のせ・・・
年を重ねた単なるなんとか娘・・・

と思い、なんとなく、天涯孤独なのは結婚していないこととは違った理由があるような気もしなくもなかったような、きっとそれだろうなと確信したというか。

 
それはさておき、雇った弁護士からは「この裁判、ぜったい思うような結果なんて出ませんよと冷たく言われた」とのことだったため、当社としてはこのお客様がかかる心身の負担をなくす・軽減するほうが良いのではないかと思い、改めて尋ねてみた。

裁判をやめて楽しく暮らしたらいいのでは?
もともとお父様があなたの幸せを思って遺してくれたお金であって、それを取り返すための可能性の低い行動をとってもぜんぜん幸せじゃない。お父様は本意じゃない。

 
お客様はこう言った。

「お金が取り返せなくても、相手に謝らせたい」

 
自分のことを傷つけた相手に「謝罪させたい」という気持ちは分からなくはない。実際、世の中にはそういった動機に基づいた訴訟もたくさんあるだろうし。

がしかし、とは思うが、このあたりはお客様の心の領域であるので、当社はそうですかとしか返すことができなかった。

 
 
法廷尋問の議事録テープ起こし
https://www.tapeokoshi.net/court.html

 

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